彼は私の小学校時代の初恋の人で、紆余曲折の末、
40代にしてついに結ばれた運命の人。
彼が突然この世を去る日まで、ともに過ごした2年間は
神様からのご褒美のような日々でした。
彼との思い出をジュエリーに…。密かに頂き続けてきた思いを、
ようやく行動に移せたのは、彼の死から1年後のことです。
私の話を聞いたデザイナーさんがその場で描いてくれたのは、
私の誕生石であるトルマリンを、彼の好きな色「赤」のルビーが
空から見守っているようなネックレスのデザイン画。
さらに「二人で見に行こう」と話していた流星が描かれた後、
ふいに、花の形に並んだダイヤモンドが描き足されたのです。
「この花には、あなた自身の幸せを願って」。
思いがけないデザイナーさんの言葉に、
ずっとこらえてきた涙があふれだしてしまいました。
このネックレスは今、私にとって、彼が生きた証。
「しっかりしなきゃ」と心を奮い立たせてくれる存在です。
思えば、デザインがを描いてもらった日。
誰かの前で、素直に涙を流すことができたあの日から、
私も一歩、前に進めたように思うんです。